とんでもない曇り空の日、海を見ると、地平線がぼんやりとしていて空と海の境界線が曖昧になっていたりする。どこまでも空でどこまでも海に見える。海面が灰色の空をそのまんま映していて、視界一面が灰色になる。
晴れた日の海ももちろん好きだけど、こんな具合の悪そうな海の景色も好きだ。
この時期の生ぬるい外の空気も好きだ。
何となくあったかい、少し湿気ているこの空気とパッとしない天気。何故かわかんないけど、こんな日に外を歩くと、生きていることを実感する。その辺の公園で散歩して、子供がサッカーをしている光景を見るだけで涙が出そうになったり。歳をとっただけなのかも。
昔はこういうことをよく感じたり、言葉にしたり、誰かとこういう感傷的な話をするのが好きだったな〜って、小さく自分の穴を掘り返して、まだあの頃と変わらない好きだった自分の名残を感じてよしよしして、すぐ埋める。